猫屋春子はかく語りき

CAT AND SPRING

この曲書いたの、若者ですよね??

最近よく耳にするKing Gnuの「白日」をApple musicで聴いてみた。だって、本当によくかかるのだ。私は仕事中、常にラジオをかけているのだがラジオで聴かない日はほぼない。一時期の米津玄師の「lemon」みたいである。


King Gnu - 白日


実は昨日ちゃんと聴いてみるまで、ボーカルは女性なのだと思っていたのだが、正解は男性だった。男性のファルセットとも違う、なんだか不思議な声。曲はとんでもなくオサレでハイセンス。メロウなテンポにメロディアスな高い声の男性ボーカル、それに加えて低い声の男性ボーカルが織りなすラップ。オサレだ、とんでもなくオサレだ。オサレ過ぎて、ダサいものの入る隙間は一切ない。つい天邪鬼が過ぎて、ドカベンをねじこんでやろうかとも思うが、そういった泥臭さとは全く無縁である。

ただ、歌詞を読んで驚いた。ものすごい虚無感に襲われている。生きることの虚無に襲われながらも、それでも生きていく覚悟をなんとか持とうというような内容。そこにあるのは絶望なのか希望なのか、それともその両方なのか。まるで人生を長く生きてきて酸いも甘いも噛み分けた老人が書いたような歌詞なのである。とくに虚無が強く表現されている歌詞の部分を、ここで以下に抜粋しよう。


「真っ新に生まれ変わって 人生一から始めようが
 へばりついて離れない 地続きの今を歩いているんだ」

「真っ新に生まれ変わって 人生一から始めようが
 首の皮一枚繋がった 如何しようも無い今を生きていくんだ」

「忙しない日常の中で 歳だけを重ねた 
   その向こう側に待ち受けるのは 天国か地獄か」

「いつだって人は鈍感だもの わかりゃしないんだ肚の中
 それでも愛し愛され 生きていくのが定めと知って」

「後悔ばかりの人生だ 取り返しのつかない過ちの一つや二つくらい
 誰にでもあるよな そんなもんだろう うんざりするよ」


曲の歌詞を書いたのは「Daiki Tsuneta」さん。King Gnuのボーカル担当の人で、まさに私が女性と間違えた声で歌っていたその人である。今年で27歳。東京藝術大学卒で大学時代はチェロを専攻していたらしい。

おばちゃんは正直、このTsunetaさんが心配だ。チェロを弾きながら何かあったんか。チェロなんて専攻しなきゃ良かったって後悔してるのか。確かにチェロで食べていくのは、とんでもなく難しい世の中である。絶望することも多いだろう。ただそれにしても虚無過ぎやしないか?70を過ぎた老人の方がまだ明るく生きている。魚とかカルシウムとか、栄養のあるものをちゃんと食べてるかい?27歳で藝大出て音楽やって曲が売れてるんなら、それでいいんじゃないかと、おばちゃん思うけど。人生長いからって、たぶんその長さが君の虚無の一因になっているような気もするけど、もっとのんびり生きたっていいんだから。肉とか魚とか、栄養だけはちゃんととらないといかんよ。若いうちから老成しなくても、そのまま生きていれば嫌でも老人になるから、不安だろうけど大丈夫。ちゃんとみんな歳をとって、いつの間にか死んでいける。