猫屋春子はかく語りき

CAT AND SPRING

私が「メタ」を嫌いな理由


有心論 RADWIMPS MV


なにやら天気が馬鹿暖かいせいか、昔の問題を思い起こして、ついつい悩みはじめてしまっている人です。

もう忘れたはずの昔の問題がフラッシュバックのように蘇ってくるのは、脳内にある「未解決事件」フォルダーに入れられているからだそうです。なので、そういうのが蘇ってきたときは、必ず「もう解決したから大丈夫です」と脳内でぼやくようにしています。とくに、大学院から研究員時代にかけて、覚えてて得する思い出は、0.0000001~無限小mmもありません。全部忘れるのに最適な記憶ばかりでございます。(とりわけKMとIDについては、この世の沼にはまったのだと認識している。お互い会わなかったことにしましょう)

ところで、私が「メタ」を嫌いな理由。
※ここでの「メタ」は簡単に「裏の意図」くらいの意味でとらえてください。

例えば、相手に何かしてあげるとします。とくに利害を考えてということもなく、なんとなく成り行きでそうなってしまった以外の理由はござんせん。ですが、いきなりその相手(前出のKM)から「○○って考えているから、私にこんなことしてくれたんでしょう?」と聞かれたとします。ちなみに、これ、実話です。

いや、○○なんて考えてもいないし、私自身、別の人から同じようにしてもらったことがあるので、当然のように、してあげただけのこと。なのに、その行為に、「薄汚い動機がある」と彼女は考え、いちいち尋ねる必要のない場面で、尋ねてきやがった。

私はもちろん、KMが言ったようなことを考えたことはなかったし、思いもつきませんでした。また、どう考えても、仮にKMの発言とおり薄汚い動機があったにしろ、私がそれをしてあげることの労力の損害の方が、得する部分より大きいわけです。ただただ、発言の意図がわからず、その場で絶句&縁切。その後、彼女の発言について何度も考えてみましたが、やっぱり良くわからない。どうして、そういう発想に行き着くのか、不思議でなりませんでした。

また、こうも考えた。仮に、私がそういう動機をもって、KMに何かをしてあげたとして、それが一体何だろう?と。そう考えたいなら、勝手にそう考えてりゃいいじゃないか。結局、他人の行為の裏の意図(=メタ)を暴いて、どうしたいと思っていたんだろう。ものすごく口の軽くて低俗な人だったので、周りに吹聴し、私の評判を落とすとか、そういうことが目的だったのか。

これは、志賀直哉の『小僧の神様』のような話でもあり、偽善についての議論にも通ずる問題だと思うのですが、私はちなみに、他人がその行為によって大きな利益を手にするわけではないのなら、裏の意図はどうあれ「偽善であっても善は善」と考えます。だから、メタをあれこれ考えて、一人勝手に疑心暗鬼に陥っているような輩が得意ではないし、メタの先には何もないというか、ヘタしたらブラックホールにハマりかねないと思う次第。

大きな謎を残して、私とKMの関係は終了を迎えました。なので、この問題、今となっては謎のまま。永久に謎のままです。関心のない相手には、同じゼミや部署の仲間だからといって、優しくするもんじゃないですね。今日の秋風のように、そのことが身に沁みます。優しさは罪、ですね。