猫屋春子はかく語りき

CAT AND SPRING

勝たずとも負けない


OKAMOTO'S / うまくやれ

私は弱いから、誰かにいつも負けてきたような気がするし、
あえて自分から「あなたには負けました」みたいな、
自虐的な態度をとることが多かったように思う。
それは、むやみに強い態度に出て、攻撃されないため。
攻撃されると面倒だから。
面倒事が起きる前に、こちらからその芽は摘もうということで。

しかし、最近弱い態度や立場にいる人間こそが、
攻撃対象にされる世間になってきた。
マスコミのやり方もそうだし、我々の日常生活の中でも、
そんな風景に出合うことが多くなったような気がする。
そこで、攻撃されるのは面倒だからと、あえて弱い立場を強調したら、
「こいつはやってもいいヤツだ」と認識されて、
より面倒なことになりかねない。

けれど、私は誰かを攻撃したくもないし、
それにより自分の立場を強いものにもしたくない。
誰かを敗者にすることで、自分が勝者になる気もない。
綺麗ごとばかりと言われそうだけど、
綺麗ごとのなかであらゆることが進むのならば、
それにこしたことはないと思う。

何故、他人に勝ちたいのか。負かしたいのか。
何故、必要のない争いごとを起こしたいのか。
小さい頃から、周囲の争いごとに巻き込まれてばかりいた私には、
全くそれが理解できない。

しかし、こんなんじゃ世間の荒波にうまく乗っていくことはできないので、
勝たずとも、負けないという目標をたてた。
誰かに何かを言われ、諦めてしまいたくなったとしても、
自分の弱い心に、私は負けない。
邪魔してくるヤツから逃げたくなっても、
自分の弱い心に、私は負けない。
過去、諦めたこともあるし、逃げたこともあるから、
それがどれだけ後悔を生む行動なのかというのは、
よく知っている。

私はこれから、勝たずとも負けない。