猫屋春子はかく語りき

CAT AND SPRING

忘却したことも忘却する


忘却の城跡

 

私は数年来、ある相手に対する憎しみに苦しめられていた。

それは今年の3月まで続いたが、

4月から11月で相手のことも過去のことも忘れてしまった。

 

忘れたというか、

数年前に抱いた憎しみなぞ、屁でもないわという気持ちになっている。

それは今年の4月から11月まで、

自分が本当に苦手としていることを克服しようとしたからであり、

(結果、克服できないことを知り、道を変えた)

その過程の苦しみが、過去の苦しみを上回ったからである。

 

でも、その8ヵ月は苦しかったが、

いろいろなことがわかったし、

何より、そのおかげで自分自身の本流に戻ることができた。

つまり、試行錯誤した末、新たな目標ができた。

 

荒治療である。

他人にはおススメしないけど、

しっぺには、より痛いしっぺ返しか。

ただ、これだけは言えるかもしれない。

憎んでいても、過去には戻れない。

憎んでいる状態を作りだしているのは、まさしく自分であり、

すなわち、その状態は、過去の自分に足をとられて

前に進めないということなのではないか。

しかし、私自身の人生を本当に真面目に考えるのなら、

そんなものに足をとられている暇はないのです。

足をとられているうちに終わってしまったら、どうするんですか。

 

老化って、本当に便利だ。

アラフォーになってから、嫌な奴の名前なんかすぐに忘れる。

忘れたことも忘れている。

忘却の果てに、アラフォーの私はいる。