絶対的人間性
ショーペンハウアーがこんなことを言っているらしい。
「獅子たちの運命と生涯は絶対的獅子性を願望している。それは、時間の世界に置いて考えてみると、発生と死を千古不易の図柄の拍動とする個々の獅子たちの無限の交替によって持続している、一頭の不死身の獅子のようなものだ。」
人間という動物を考えるときにも、同じことがいえると思う。
すなわち、「絶対的人間性」である。
1人の、個人では、決して完結しない性。
だからといって、慣れあっている集団の属人によっても完結するわけではない。
"個々の人間たち"(その間に関係があろうとなかろうと)が、有限の時間の中で、
生まれて、死ぬ、そして別の人間がまた、生まれて、死ぬ、
その交替制のなかに持続する「人間性」。
生きることに、意味を求める人も多いんだろうし、
自分の遺伝子しか信じない人も多いんだろうけど、
人間として"個"が生きるのは、このためでしかないのではないだろうか。
もしも、生きることに意味があるのだとしたら。