猫屋春子はかく語りき

CAT AND SPRING

「科学と進歩がすべての人間の幸福につながるような世界を」

祝・脱・鬱。前回の記事を書いた後、鬱を無事脱しました。なんだろう、ブログを書いてスッキリしたのでしょうか。それにしても、鬱的な思考回路に脳内をすっかり乗っ取られておりました。重度の鬱って、あれよりもずっと辛いことを考えると、鬱病とは滅法大変な病気だと思わざるを得ません。しかも心の病気って外見からではわからないから、他人に理解されにくい。パッと見は健康な人だから、ダラダラしていると怠惰と思われて「怠け病」みたいに思われるのだろうけど、いやいや、絶対辛い。辛すぎる。「鬱の人をダラダラさせてあげて!」と金切声で世界中に叫びたくなる。それほどに鬱はおそらく辛いものなのだと思います。

さて。

昨日BSで「チャップリンの独裁者」が放映されていて、20年ぶり位に観たのですが、これがべらぼうに面白かった。20年前は若かったせいか、あまり面白く感じなかったのだけど、40を超えた今はひどく面白く感じられた。

チャップリンの独裁者」と言えば最後のスピーチが有名ですが、いや、もう脱帽。初めて観た時も感動したけれど、こんなに熱いスピーチだったか!と今回も感動&驚愕。1940年にアメリカで公開された古い映画なのに、内容は全然古くないし、当時と同じようなことが未だに問題になっているこの飽くなき(クソな)世界。日本の現政権におられる面々にみせてあげたいほどでがんす。民主主義とはそもそもどういったものだったのか。○○総理には是非初心にかえってほしいものでごわす。


チャップリン・独裁者


とくにスピーチのなかで胸にグッとくるセリフがあり、それが「科学と進歩がすべての人間の幸福につながるような世界を」という部分。僅かな期間ではありますが、かつて科学に携わっていた人間としては、本当にこれを願わないではありません。

上に貼ったyoutubeの動画よりも、映画のスピーチは実はもう少し長くて、ハンナというユダヤ人の女性に向けられたセリフが最後の最後に述べられます。オストリッチのどこぞにいるハンナに向けて「顔を上げて。新しい世界のはじまりだ。」とチャップリンは語りかけます。そして遠くにいるにも関わらず、彼女にはその声が届いていて、立ち上がり「聞いてるわ」と言って微笑むのです。

そこがまたいいシーンなんだよなあ!!!最後はハンナの微笑んだ横顔でTHE END。泣くしかないでしょ、これ。興味のある方は是非、チャップリンの独裁者のスピーチを観てみてください。映画観るのが面倒な人は、「チャップリン 独裁者 スピーチ」でググると、スピーチ全文を詳しく和訳してくれているサイトがいろいろ散見されますので、是非に。もうそろそろこうした情熱がこの国に、社会に、世界に、戻ってきても良い頃ではないでしょうか。