猫屋春子はかく語りき

CAT AND SPRING

夢は便利だ


恋する惑星 Faye Wong フェイ・ウォン 夢中人

(※この記事を書いたのは、1年以上前である。下書きに入っているのを、たまたま見つけた。)


今日の明け方、

現在ロシアに住んでいる、大学院時代の先輩が夢に出てきた。

夢のなかで2日連続、居酒屋で酒を酌み交わした。

個人的に仲が良かったわけではない、先輩だから。

当時、自分が所属していたゼミは女子が多く、

定期的に女子会などが開かれていた。

私は、そういうのは面倒なので、あまり好きではないが、

誘われれば参加していた。

参加しなければしないで、それもまた面倒だからである。

 

当時ゼミにいた学生は、もう卒業や修了をして大学院にはいない。

その後、運良くアカポスに就いて、研究を続けている人もいれば、

全然関係のない職に就いている人もいる。

 

夢に出てきた先輩も私も、現在は両者とも一線で研究をしていない。

先輩はロシアで子育てをしているようだし、

私は私で、たまに論文を書いて、プラプラしたり仕事をしたりしている。

もう、アカポスとかアカデミックとか、

そういうことには関わらない人生を、お互いに歩み始めている。

 

先輩と私は、サシで飲んでいた。

屋台に並んで座って、おでんを食べながら酒を飲み、

いろいろ何かを話していた。

何を話しているのかまではわからないが、

二人とも顔が赤かった。べろんべろんだった。

 

その先輩とは、今後、

おそらく死ぬまで現実世界で会うことはないだろう。

年賀状も出していないし、連絡先も知らない。

最後に会ったのは、5年前だ。

もう1人を入れて3人で会い、1時間ほど、たわいのない話をした。

 

先輩だけど、年齢は同じだったから、タメ口を使っていた。

先輩は美人だった。ゼミの男連中にたいそうモテていた。

会わなくなってから、会いたいと思ったことは一度もない。

あちらもそうだろうと思う。

互いに、特別親しいという感情はなかった。

 

そういう人とでも、夢でなら偶然会うことができる。

夢は便利だ。

たまに嫌いな人が出てきて、腹立つこともあるけれど。

夢は便利で自由だ。