猫屋春子はかく語りき

CAT AND SPRING

WEBライターをやめたったわい

2017年8月からWEBライターとして、いろいろなメディアでいろいろな記事を書いてきました。WEBライターというのが恥ずかしいような単価で働いていたわけですが、自分なりには誠実に取り組んできたつもりです。んで2年ほどやって、このメディアのからくりがだんだんとわかってきました。ちょっとこの経験は何かにまとめられないかと検討中です。うーん、何かにまとめるんなら、もう半年くらいWEBライターをやりたかったんですがタイミング的に辞めるなら今という感じのため、辞めることにしました。

仕事はとくに辛くはなかったんですが、辛いのは周囲の目。とくに親とか親戚の目ですかね。なんかね、彼らは在宅ワークを仕事だとは思えないようです。1ヵ月にもらっている報酬を教えると、「え?そんなにもらえるの?」と驚かれたり。それってつまり、在宅でのWEBライターって数千円しかもらえないっていうイメージなのでしょうかね。だから在宅ワークは仕事じゃないという感じなのでしょうか。いやでも、多分違うかな。たとえいくらもらっていても、家で働くということは彼らにとって仕事じゃないかも。理解できないんでしょうね、おそらく。

そういえば友達にもWEBライターやってるっていうと、なんかちょっと書いてパソコンで送るだけでしょ?ということを言われたこともあったなあ。なんかちょっと書いてって、まあライターですからね、書いて送るってのは合ってるわけですが、ちょっと書くっていうのは…。3000文字の記事もあれば、10000文字の記事もあるわけで。それが、ちょっと、という言葉の範疇に当てはまるのかは、よくわからんですが、私の中では、ちょっと、じゃなくて、だいぶ、のような気がします。まあ、友達だからはっきりとは言わないけれど、心の中でWEBライターやってるのを馬鹿にしてたんじゃないですかね。とくに気にはしませんが。確かに1文字0.5円とかの単価で働いていて、威張れるばれるような給料ではないし。

そんなことを思い返すと、仕事には明確な貴賤があるということを実感しますね。どんな仕事をしていても、もらえるお金は同じなのにね。意外と貴賤があるなあと。そんで、社会のみんなはそうした仕事の貴賤を案外考えながら職選びをしているのかなあ、と。でも貴賤で仕事を選ぶと、自分が本当にやりたいと思ったことができないんじゃないかなあとか思ったり。なんて、1文字0.5円WEBライターの戯言ですが。

でも、WEBライター、とても良い経験でした。1文字0.5円で文章を書くなんて。WEBにおける「書くこと」の価値の低さを思い知りました。いや、WEBだけじゃないか。社会全体がすでにもう「書くこと」にさほどの価値を置いていないのかもしれません。だってWEBで無料で読めるから。タダの知識や情報の蔓延は、人類の生活や文化、思考に何をもたらすのか。そのタダの知識や情報の蔓延にWEBライターとして肩を貸していたわけですが、そこから私が得たものは何だったのか、まだきちんと言葉になりませんが、それは言葉にしなければならないだろうと思います。

今後はちょっと別の目標が出来てお金が必要になったので、しばらく娑婆に戻りますが、機会があればまたWEBライターに戻るかもしれません。1文字0.5円で全然書きますよ。ルールとかSEOとか、なるべく煩くないところを選んでね。ではWEBライターとして、またどこかでお会いしましょう!


くるり - ジュビリー