猫屋春子はかく語りき

CAT AND SPRING

ワタクシの見た目が「50代」ということが判明した日

昨日、美容室へ行った。担当の美容師さんが、前のお客さんの施術をまだしていたため、とりあえず他の席に通されて待つことになった。私を通してくれたのは、齢30にも満たないであろう青年で、待っている間のお茶とお菓子、その他雑誌を持ってきてくれた。

青年が持ってきてくれた雑誌は3冊で、1冊目がオレンジページ、2冊目がVOCE、そして3冊目がエクラだった。私はエクラという雑誌を見たことがなかったので、「なんじゃ?こりゃ?」と思い、手にとった。中を開いて、自分がその雑誌を手に取ったことがなかった理由を知った。何故なら、その雑誌は50歳前後、つまりアラフィフの女性が読むための雑誌だったからだ。

私はまだアラフィフではない。アラフォーだ。VOCEも美容室以外では手にとることはないが、その存在は知っていた。しかしアラフィフ。コンビニで手にとることもないし、美容室などで出されたこともない。しかし青年は持ってきた。無邪気に私の席の前にそれを置いて、どこかへ消えた。

ああ、そうか、と思った。青年は私とは初見だ。初見ならば、初見の人からは私は、アラフィフに見えるのだと理解した。また青年は私の担当ではないから、私に気を遣う必要はない。担当の人のように、私に気を遣って実年齢より若い人が読む雑誌をわざわざ選ぶ発想はない。その点、青年の行動は正直だ。そうだ、正直に行動をすると私の見た目はきっと「50代」に見えるということなのだろう。

こうした結論に至ったのは、青年の行動を裏付ける、もう1つの出来事があったからだ。私がしばらく実家に帰省していたのは前々回、前回の記事に描いたが、その時のこと。ニュースに、ある女性の顔が映った。女性の顔はどう見ても「50代」。しかし、実家の父親は「この人、お前とだいたい同じ年齢だな」と言い放ったのだ。もちろん「はあ?」と答える私。そして、その後女性の年齢が「50代」であることがテロップで判明するのだが、おそらく、父の目には私は「50代」に見えているのである。

さて。

1つではない、これら複数の出来事が私に明らかにする事実は何か。言うまでもない。それは、私の見た目が「50代」に見えるということだ。化粧もしないから、肌は荒れ荒れでくすんでいる。左頬のシミが年々拡大してきている。また姿勢が悪く、はつらつとした印象は皆無。服装は流行のものは決して身に付けない。

うん、ここまで書くと、こりゃ「50代」に見えても仕方がないという気持ちになってきた。アンチエイジング、頑張るか―という気にならんでもない。と言いつつ、まあ数日後には、50代でええがなと思いながら、せんべいでも食べてテレビを見ているのだろうなあ。この推測は、多分当たる。いや、寝ている間に出来るアンチエイジングならやるけどね。しかし50歳になるまで、あと何年あるんだよ、まったく。


椎名林檎 - 罪と罰