猫屋春子はかく語りき

CAT AND SPRING

昨年末に映画「ボヘミアンラプソディー」を観たという話

今年度も米アカデミー賞が決まりましたね。作品賞は「グリーンブック」でした。が、なんだか、いろいろな批判に合っているようで。

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白人やら黒人やら、アメリカの人種差別は根深いですね。個人的には「グリーンブック」よりも、アルフォンソ・キュアロンの「ROMA」が気になっていたんですが残念。あとスパイク・リー監督の映画が面白そう!公開されたら絶対に観に行きます。私もKKKに潜入とかやってみたいもんです。

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そんな感じで、アメリカのアカデミー賞をぼんやり観ていたのですが、思い出したのですよ。昨年末、映画「ボヘミアンラプソディー」を鑑賞したことを。ラミ・マレックが受賞している姿を見て、「おお!そういえば!」と。しかも「ボヘミアンラプソディー」を観て盛り上がり過ぎたせいか、それから3日間、風邪でもないのに微熱が出ました。恐怖!

ボヘミアンラプソディー」は観た人を平熱ではいさせてくれない映画なのです。前列に座っていた年配の男性も身を乗り出してスクリーンを観ていたですよ。平日で10人くらいしか客がいなかったというのに、なんだか上映室の中は熱気でムンムンでしたよ。

と言いつつも、「ボヘミアンラプソディー」の内容については、実は文句がないわけではありません。でも、それを上回る面白さや楽しさ、そして何よりクィーンに対する情熱が存在する映画でした。だから鑑賞後は「この映画に文句とか批評とか面白くねえな楽しくねえな」そんな風に思い、文句なんてどうでも良くなってしまいました。情熱の力って侮れません。


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いまは情熱が居場所をなくしているような社会ですが、情熱がないと伝わらないことって案外多いのかもしれません。逆に情熱があれば、こまかいところに違和感はあれど、なんとなく想いはちゃんと相手に届く。逆に言えば、情熱のない表現は相手に伝わりにくい。伝わったとしても誤解されやすい。そういう傾向があるのかもしれません。


ただ、いかにエネルギーを使わず効率的に生きていくかが社会では先行しています(まあ、それが賢い生き方とされているので仕方ない面もありますが)。そのため人々の持つ情熱はどんどん小さくならざるを得ません。でも、エネルギーって普段の生活でも適度に放出していないと、どんどん小さくなって、いざという時に使うことが難しくなるものです。だから何か表現をする人はとくに、普段の生活から、自分の情熱やエネルギーをある程度使いこなせることが大事であるような気がします。

その点、クィーンのフレディ・マーキュリーは自分の熱を放出させるのが上手だったし、その熱を大勢の人へ波動させることに長けていたなのだなあと感心します。そして、その熱をしっかりと受け止めた人々が映画「ボヘミアンラプソディー」をつくった。これぞ良作中の良作です。表現と情熱における素晴らしいバトンタッチを垣間見ることができる良い映画と言えるでしょう。やはり何かを表現する時、情熱って必要だなあと思わせられました。情熱が相手や他人を動かす力となるというのは、冷え冷えになった現代社会においても結構有り得ることなのではないでしょうか。

最後に、フレディ・マーキュリーを演じたラミ・マレック、おめでとうございます。アラブ系の俳優さんとしてはアカデミー賞初の受賞だったそうで、その意味でもラミ・マレックの功績は大きい。これからの活躍も期待しています。

「幸運は勇者に味方する」


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