猫屋春子はかく語りき

CAT AND SPRING

駄目な人でいたい


The Cranberries - Dreams

駄目な人でいたい、私はアラフォーになってもその意識から抜け出せない。これはもしかしたら、周りの人に対してそのように自分を理解して欲しいということなのかもしれない。だって実際の私は酒も煙草も薬もやらないし一介の主婦に過ぎない。毎日掃除や料理をする。最近では朝・昼・晩ちゃんとつくる。そんな主婦は全国に大勢いるし、彼╱彼女らは全然ダメなどころか、きちんとした人が大多数だ。おそらく自分もその中に含まれるだろう、となると駄目な人でいたいというのは、周りに対する自分自身の演出でありパフォーマンスなのだと思う。思う、と自信なげな語尾を持ってきたのは、「おそらく自分もその中(=きちんとした主婦)に含まれるだろう」と前述したが、しかし「他から見れば演出的にではなく本気で駄目」という可能性も否定できないからだ。周りへの演出でもパフォーマンスでもなく私は本当に駄目な人で、逆にそんな駄目な自分を認めたくないからこそ「演出だ、パフォーマンスだ」と宣っているのかもしれないのである。でも、そんなことどちらでも良い。私は、駄目な人でいたい意識を生まれてこのかた持ち続けている。坂口安吾の「堕落論」が、自分にピタリとくるのはそのためだろう。どこまでも堕落したい、堕落して堕落して堕落を突き抜けて行け。自分が男だったら「あの人は本当に駄目な人ね」というセリフを不倫相手に言わせてみたい。