猫屋春子はかく語りき

CAT AND SPRING

映画「It」≒ホラー版「Stand by me」


『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』特報映像

先日、映画「It」を観に行った。続編の第二章は2019年に公開されるらしい。「It」の内容は、おそらく多くが知っているだろう。ペニーワイズというピエロが、デリーという街に住む子供たちを相手に悪さをする話だ。殺したり、行方不明にさせたり、幻影をみせたり。つまりはホラー映画である。自分も、ホラー映画だと最初はそう思って観てたんだけど、途中から、「ホラー版スタンドバイミー?」と思い始めた。あるいは「ホラー版グーニーズ」か。

ピエロと闘うのは、デリーに住む子供たちの集団である。その名も「ルーザーズクラブ(Loosers Club)」。彼らはスクールカーストの下方にいることを自覚している。そのため、自分たちを「ルーザーズクラブ」と名付けているのだ(原作では「ラッキーセブン」)。最初は4人のクラブだったが、最後には6人へと増える。その過程で、「ペニーワイズvsルーザーズクラブ」という図式がだんだんと出来上がっていく。
 

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確かにホラー映画なんだけど、同時にルーザーズクラブの友情・青春・恋愛映画でもあり、観終わったあとは「いい話じゃないか」と思わせられる。友達と力を合わせて悪いヤツを懲らしめる、ルーザーズクラブに途中から入った女の子と良い仲になる、いやあ、青春じゃないですか。結局「スタンドバイミー」みたいな話が好きなんだろう、おかしいと思ったんだよ、スティーブン・キングってホラー作家じゃないし。

そう考え始めたら、「It」がまったく怖くなくなった。せっかくホラー映画を観に行ったというのに。ちなみにペニーワイズは、北欧の俳優さんが演じているらしいです。ピエロメイクをしていても、なかなか端正なお顔立ちですよ。