猫屋春子はかく語りき

CAT AND SPRING

社会主義国と芸術


chagall シャガールの生涯

先日BSで放映されたロシア・アバンギャルドに関する録画を観ている。スターリン統治下で弾圧されて失われたはずの当時の作品が、ウズベキスタンカラカルパクスタン(なんちゅー名前だ)という自治国に保存されていたらしい。

ちょうどロシア・アバンギャルドの時代、中国にも美術や芸術に熱心な若い学生たちが多くいたのだが、やはり国が社会主義へと傾倒する過程で弾圧されてしまった。1900年代初期、北京大学の学生が、芸術を通じて日本の学生たちと交流している写真を、中国の、どこかの博物館で観たことがある。その当時、中国で活動していた画家たちは、その後も秘かに絵を描き続けたのだろうか。

芸術を含めた文化のすごいところは、ソフトパワーで世界を、社会を、人々を変えてゆくところだと思う。そのことを恐れて、社会主義国が転覆しないように芸術を弾圧したのだとしたら、彼らこそ、芸術の力を知っていたと言える。また、今もって、文化にはその力があると私は考えている。

それにしても、すごい絵画ばかりだ。カラカルパクスタン、行きたいなあ。