猫屋春子はかく語りき

CAT AND SPRING

ブスの夢はいつひらく!?

私は、まごうかたなきブスです。

 

学生時代は、なまじっか学力が高かったがゆえに、

男子に容姿でいじられたことはありませんでしたが、

学校を出ると、女性は社会で容姿がものを言うことになります。

私の容姿では、このオヤジ社会に全然、歯がたちませんでした。

 

というわけで、初めて就職した先で、

無駄に高い学歴のせいで、高卒オヤジにイジメられ、仕事を辞めました。

その後、学歴に難癖つけられる社会ならば、学歴をもっとつけてみよう、

面白いじゃないか。

ということで(あまのじゃくですね)、大学院に進み、博士になりました。

 

しかし、コネと美人がものを言う、このオヤジ社会は、

アカデミックの世界も同じでした。

ブスで愛嬌のない私に、「あかでみっくぽすと」なるものは、

一切与えられませんでした。

 

与えられたのは、公募のフリした求人募集の当て馬になる役目。

 

公募の前から人事は決まっているというのに、公募を出して、

公正にやってますという見かけだけの公募に募集をかけます。

そして、そこにまんまとひっかかった私を当て馬として、

面接試験を行い、まんまと人事通り、当て馬の私は落とすわけです。

(その大学は、その後、非常勤講師に問題があるとかないとかで

騒ぎになっていたようないないような。)

 

まあ、そんなこんなで研究も研究職につくことも、数年前に諦めました。

んで、今日、近所の某国立大学に、

データ入力の仕事の募集があったので、面接に行ってきました。

そんな仕事の内容なのでスーツも着ず、普通のボーダー長袖Tでいったわけです。

後悔しました。

 

面接室に入ると、なぜか面接官が4人もいました。

 

私としては、たった3か月、自給800円という内容の仕事に、

なぜ面接官が4人もいるのか不明という感じだったのですが、

そうだったよな、仰々しいにも程があるのが大学さんだよな、と思い出し、

この仰々しさが嫌だったんだよな、大学・大学院時代と思い出しました。

 

そうしたら、面接室を退室した後に、誰かの爆笑する声が聞こえて、

非常に不愉快になりました。

その後、裏門から帰ろうとしたら、数人の中学生に遭遇しました。

私の方を見ると、「顔、でかいからや」と言って、笑っているではありませんか。

 

ああ、そうか。

爆笑した面接官もきっと、私を見て、

フジモンの「顔、でかいからや」を思い出し、笑ったのかもしれん。

 

しかし、私は訂正したい。

私は、顔がでかいのではなく、長いのです。

 

そうか、「顔、長いからや」。

顔が無駄に長いから、学校卒業後、ずっとうまくいかないのかもしれません。

私が普通の女性で、そこそこの容姿であれば、問題はなかったはず。

そして、高い学歴なんかいりません。普通に短大卒や高卒程度で十分でした。

 

途端に私は、ライザップに入会したくなりました。

ライザップに入会して、誰にも負けないムキムキの身体になりたいと思いました。

でも、こんなアラフォーじゃ、ムキムキになったところで、

周りを見かえすどころか、見下されかねないことに気付きました。

 

もう、全てが遅すぎる。

 

そう。もう、全てが遅すぎるんです。

ブスが夢みて、大学院なんかに進んではいけなかったんです。

ブスは、誰に言われずとも、ブスであることを自覚して、

ブスであるからこそ、愛嬌でカバーしなければなりません。

 

うちの母親が、私が幼い頃、私の写真を見てはよく言っていました。

「醜いから、口を開けて笑うな。」

親戚の叔父さんが、私の顔を見て言いました。

「もう少し、顔短いといいんだけどな。」

これらの発言を、残酷などと思わずに、認識すべきでした。

 

オヤジは、若い女子や愛嬌のある女子、色気のある胸の大きな女子が好きです。

いいえ、オヤジだけはない、往々にして日本の男性はそうした女子が好きです。

そして、日本の女性もまた、そうした女子が好きです。

ブスであっても、愛嬌のある可愛い子。自分に笑いかけてくれる子。

 

愛嬌のないアラフォーのブスは、世界のどこにも居場所はありません。

そんなブスの夢は、おそらく一生開くことはありません。

ブスの夢はいつ開く!?と待っていたら、

人生はきっと、終わりを迎えてしまうでしょう。