猫屋春子はかく語りき

CAT AND SPRING

あと三日で来年なんだが


海原お浜・小浜

 

もう三日も寝れば、来年が来る。

来年が来たと書けば私は狂人だが、

昨年が来ると書いても私は狂人だろう。

 

雪が降っているので、雨は降っていない。

エアコンのモーター音が昼から朝から夜から鳴りっぱなし。

でも、寒くないのはエアコンが回っているから。

モーターが回っているから暖かい。

 

あるいは、私に尻に敷かれているホットカーペットの有能なこと!

大きな屁をしても小さな屁をしても、

いつも温かいカーペットは愛で溢れている。

 

今年も来年も違うようで同じようで似ているようで困る。

とは言え、毎日が同じようで違うようで似ているので、

ずっと私は毎日毎日困り続けている。

 

雪の中をラグビーボールが飛ぶ。

比喩じゃない。

窓から見える高校の裏庭で、

一週間前にはラグビーボールが飛んでいる。

一週間前のあの日、あの時に今もラグビーボールは飛んでいる。

きっとじゃない。

これはまぎれもない事実。

 

あと三日で来年だ。

あと三日で来年なんだが、

今年から見た来年は来年になれば今年になるので、

当然、私は来年も今年を過ごす。

だから、それらは同じようで違うようで似ているようで困る。

 

いつも、いつのときも、今年も昨年も来年も、

私は良い年を過ごす。

私は狂人だ。

それだけのことだ。